大手企業の選考も終わり,そろそろ中小企業やベンチャー企業に視野を広げていこうと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし,全員が前向きな気持ちで中小企業やベンチャー企業の選考を希望しているわけではないと思います。そこで,今回は,中小企業やベンチャー企業で働くメリット・デメリットについて解説させていただきます。
目次
「中小企業」「ベンチャー企業」とは?
中小企業の定義は,中小企業基本法という法律で決まっています。
就活で受ける代表的な業界を取り上げると,以下のとおりです。
- 製造業・建設・運輸業は,資本金3億円以下。または従業員300人以下
- サービス業は資本金5,000万円以下。または従業員100人以下
- ソフトウェア業・情報処理サービス業は,資本金3億円以下。または従業員300人以下
資本金の額,従業員数が上記以外の場合は,大手企業と呼ばれます。「ベンチャー企業」という言葉は「新しい会社や革新的サービスを行なっている会社」を呼ぶ造語なので,法的な定義はなく中小企業であることがほとんどであると考えましょう。
中小企業やベンチャー企業で働くメリット
①若くして責任者を任される可能性が高い
中小企業は,大手企業に比べて人材リソースが少ないので,若くして裁量権を与えられ,責任ある役職に抜擢されるチャンスがあります。若手のうちから仕事の幅を広げたい,多くのことを経験したいと考えている人には向いているといえるでしょう。
②仕事の全体像をつかみやすい
大手企業は,営業なら営業のみ,企画なら企画のみを担当するなど,業務が分業化されていることが多いのに対して,中小企業は人数が少ないため一人の人が多くのことを担当します。 たとえば,人事の場合,大手企業ならば採用担当,教育担当,労務担当などと分かれています。
中小企業の場合,ひとりの人が採用も教育も労務も行いますし,それどころか総務や広報まで担当しているケースも少なくありません。仕事の全体感をつかみ,結果を受け止めながら仕事をするのは,会社経営全体も見えてくるのでプラスになりやすいです。
中小企業やベンチャー企業で働くデメリット
①責任の範囲が広い
ひとり当たりの守備範囲が広いということは,それだけ責任の範囲も広いということになります。たとえば,ひとりの社員が営業とマーケティングの両方を行っているという場合もよくあります。そのため「広範囲において一定以上の知識を持っていなければならない」大変さがあります。
②予算が少ない
また,人材リソースだけでなく「予算」も大手企業に比べると潤沢とはいえないので,「やりたいことがあるのに予算不足でできない」という壁にぶつかることもあるでしょう。そのため,できるだけお金をかけずに事業を大きくしていくという非常に難しい挑戦になることが多いです。
②専門知識や経験を積むのが難しい
大手企業の人事部で採用だけを担当している場合は,応募者数も採用数も多いため,1年に数百人以上の面接をこなす必要があります。当然,短期間で面接スキルはぐんと上がるでしょう。
一方,中小企業の人事担当としてすべてを見ている場合,採用だけを切り取ると応募者数も採用数も少ないため,10年経っても面接スキルは遅れを取ってしまう可能性があります。また,プロジェクトの規模は大企業に比べて小さいので,積める経験も小さいものになりやすい傾向があります。
まとめ
今回は中小・ベンチャー企業で働くメリット・デメリットについて解説しました。「大企業だから良い職場」「中小企業,ベンチャー企業だからブラック」というのは人によって異なります。さまざまな企業を見て自分にあった職場を探してみてください。
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